アサーティブコミュニケーションとは?




きっちり対等に話をしたいと思っても
なかなか難しく感じていませんか?
インナーチャイルドセラピスト「やましん」が、
「自己主張」と「他者尊重」両立を目指しての会話である
「「アサーティブコミュニケーション」というテーマについて、
心理カウンセラーの視点からお話しさせていただきます。
1. アサーティブコミュニケーションの心理学的基盤
2. アサーティブコミュニケーション成功事例
3. 日常生活で使えるアサーティブテクニック
4.まとめ
アサーティブコミュニケーションとは、
心理学における「自己主張」と「他者尊重」を
両立させる理論に基づいての会話です。
この手法は、1950年代に行動療法の一環として開発され、
現在では対人関係を円滑にするための重要なスキルとされています。
心理学的には、「誠実」「率直」
「対等」「自己責任」の4つの柱が基本です。
・誠実
「誠実」とは、自分の意見を正直に伝えつつ、
相手の感情や立場を尊重することです。
例えば、意見が対立した場合でも、
「あなたの考えを理解しました。その上で、私の意見はこうです」
といった形で表現します。
このような態度は信頼関係を築く基盤となります。
・率直
「率直」であることは、自分の感情や考えを
隠さず伝えることを意味します。
ただし、感情的にならず冷静に伝えることが重要です。
例えば、「私はこの状況に少しストレスを感じています」と言うことで、
相手に自分の内面を理解してもらうことができます。
感情的なら内容自分の感情を抑制することが大切です。
・対等
「対等」とは、自分と相手を同じ価値観で捉える姿勢です。
これにより、上下関係や権力構造に縛られず、
平等な立場で話し合いができます。
・自己責任
最後に、「自己責任」は、自分の発言や
行動に責任を持つことを指します。
たとえば、「私はこう考えます」という
「I(アイ)メッセージ」を使うことで、
自分の意見や感情を主体的に表現できます。
これらの要素が揃うことで、
攻撃的でも受け身的でもない
「アサーティブ」なコミュニケーションが可能になります。
アサーティブコミュニケーションは、
多くの企業で導入され、
その効果が実証されています。
以下では具体的な事例をご紹介します。
・小売業A社「若手社員の心理的安全性向上」
小売業A社では、若手社員が
上司に相談できないという課題がありました。
この問題解決のため、「アサーティブ研修」を導入。
研修では次のようなトレーニングが行われました。
状況を客観的・具体的に伝える
⇒事実ベースで話す練習。
感情と言葉を一致させる
⇒「私はこの作業量では不安です」と率直に伝える。
具体的な提案を行う
⇒「この部分だけ優先しても良いでしょうか?」
と代替案を提示する。
結果として、
若手社員たちは自信を持って意見を述べられるようになり、
職場全体での心理的安全性が向上しました。
これにより離職率も大幅に減少しています。
・運輸業C社「ハラスメント防止」
運輸業C社では、管理者向けにアサーティブ研修を実施しました。
以前は部下への指導が遠回しになりすぎたり、
逆に厳しすぎたりするケースが多くありました。
しかし研修後は、「部下への尊重」を
前提とした適切な指導法を学びました。
「あなたはいつも遅刻する」という攻撃的な表現ではなく、
「最近遅刻が目立ちますね。どんな理由がありますか?」と
状況確認から始める形へ改善。
この結果、部下との信頼関係が深まり、
ハラスメントリスクも軽減されました。
アサーティブコミュニケーションは
日常生活でも大いに役立ちます。
ここでは簡単なテクニックをご紹介します。
明確で具体的な言葉を使う
曖昧な表現は誤解を招きやすいため、
「いつも」「全然」といった言葉は避けましょう。
たとえば、「最近家事を手伝ってくれない」と言う代わりに、
「今週3日間家事をお願いしたい」と
具体的に伝える方が効果的です。
感情と言葉を一致させる。
自分の感情を「Iメッセージ」で伝えることも重要です。
「あなたは冷たい」ではなく、
「私は最近少し孤独だと感じています」と言えば、
相手との対話がスムーズになります。
・DESC法
DESC法とは以下の4ステップで構成されるテクニックです。
Describe(描写):事実を客観的に述べる。
Express(表現):自分の感情や意見を伝える。
Specify(提案):具体的な解決策を提示する。
Consequences(結果):提案による結果や影響を説明する。
たとえば、「会議中スマホを見る人が多い」という場合。
描写:「会議中、多くの人がスマホを見る場面があります」
表現:「私は集中力が削がれると感じています」
提案:「会議中はスマホ使用禁止ルールを設けてはいかがでしょう?」
結果:「これによって議論がスムーズになると思います」
こんな感じで相手の感情をつつくというより
コミュニケーションで納得感のあるトークが可能になります。
アサーティブコミュニケーションは、
自分自身も相手も尊重しながら
率直に意見交換できる方法です。
その効果は職場だけでなく
家庭や友人関係にも広く応用できます。
また、このスキルは一朝一夕では身につきませんが、
小さな成功体験から始めて徐々に習得できます135。
まずは以下のステップから始めてみましょう。
毎日1回「Iメッセージ」を使う。
意見交換時には深呼吸して冷静さを保つ。
週末ごとに自分の対話スタイルを振り返る。
これらを継続することで、
人間関係だけでなく自己肯定感も向上します。
ぜひ今日から取り入れてみてください!